ジャン・ジャック・べネックス
題名=ベティー・ブルー 1986年 (フランス)
出演者=ベアトリス・ダル/ジャン・ユーグ・アングラードetc...
さすが、フランス映画!
しょっぱなからボカシがビシバシ入る映像・・・。
私のイメージするフランス人とは、自己中で、身勝手で、我がままで、気位が高く、怒りっぽい
そうっ、怒られるんじゃないかと思っちゃうんですよ・・・ちょっと恐い感じ・・・←先入観
でも、実際に私が遭遇したフランス人のオジサンは普通に優しくて親切な良い人だったです・・・
で、この「ベティーブルー」に出てくる主人公が、絵に描いた以上に喧嘩っ早い女の子で、頭がどうかしてんじゃないの?ってフランス人が思うくらいの癇癪持ちなんです
病気なんでしたっけ?その辺の事は忘れてしまいました
とにかく、自分の感情をまったくコントロールできないんです
同時にものすごく純粋なんです・・・ああ〜悲劇の予感がします
ある日、彼女は、恋人ゾークが、昔小説を書いていたということを知ります
無理矢理それを読ませてもらった彼女は、彼には並外れた才能があると信じ込みます
出版社で読んでもらう為には、タイプで清書しなくてはならないと知ると、打ったこともないタイプで、それを一文字一文字、丁寧に根気強く打ってゆくんです・・・

色んな出版社に送りつけ、毎日、毎日、ポストに返事が来るのをひたすら待つベティー・・・純粋です
一向に返事が来ない出版社に、直談判しに行く彼女は、恐いというより頼もしかった
彼女が壊れ始めたのは、赤ちゃんが出来たと思い込んだ時からでしょうか?
どんどん壊れていく彼女を、愛しながらも、どうにも出来ないゾーク
なぜ、そんなに赤子に執着するのか?
愛情が深すぎるのです・・・そして、彼女は感情のコントロールができないのです。
愛情という感情が彼女を壊してしまったのだとしたら、
どうして、そういうことになるの?って、この映画を観るたびに思ってしまいます
どうして、こんな結末しかなかったの?って・・・
嵐が去った後のような静かなラストシーン(私は毎回、ラストのテロップが流れ出す瞬間に号泣します)
あの猫は、どう考えたってベティなんですよね・・・
猫になったベティはゾークが仕事をしているテーブルの端に乗って、優しく彼を見守っているのです
2人で弾いたピアノの調べが切なく胸に響きます
2005/11/11UP