■初期『おかげです』のメインコーナーであるヒーローコント“仮面ノリダー”とその続編“仮面ノリダーV2”、そしてスペシャル版も紹介します。
●仮面ノリダー / 木梨猛(木梨憲武)
・必殺技=ノリダージャンプ&ヘッドバット, ノリダーキック, ノリダーカーニバル&フェスティバル他
『おかげです』の超有名ヒーロー。当時、本家『仮面ライダー』シリーズを超える人気をゲットした。
そのため本家の正統な続編『仮面ライダーBLACK RX』(’88〜89・MBS)が、ノリダーのパロディと思われたり、『ひょうきん族』で対抗馬として《かまへんライダー》が登場したり、と人気のすごさを物語っている。
キャラクターグッズは本家『ライダーシリーズ』との版権の問題のせいか、99%パチモンで、テーマ曲『仮面ノリダーぶっとばすぞのテーマ』は、『レッツゴー!!ライダーキック』のほぼ替え歌(JASRACに登録済)なので未だにCD未収録である。
▽木梨猛はジョッカーに改造された改造人間で、世界平和を守る為にジョッカーと戦う。
マリナさんという恋人がいるので本当は彼女を守る為に戦っているらしい。
猛は「カーイワレマキマキ…!」という呪文(当時とんねるずが出演していたミツカン酢のCMパロディでとんねるず起用以前からこのフレーズが使用されていて、ノリダー人気に便乗してとんねるずが起用された)を唱えながら変身ポーズを取るが、その隙を突かれて怪人に攻撃される事もしばしば。
ノリダーのヘルメットは福耳が特徴で、鼻の穴は黒く塗っていて、胸当てには‘NORIだー’と書かれている。
“ノリダーカーニバル&フェスティバル”は、ジョッカーのみなさんを一気に全滅させるスゴイ技である。
3回目あたりから、「全国のちびっこ諸君!…」と、ノリダーの注意コーナーが登場した。
他にも“グッド・グッダー・グッデスト”というフレーズや「ぶっとばすぞォ〜!!」という決めゼリフもあった。
最後はキング・ジョッカー男を宇宙へ運び、自爆して倒した。
その後番外編で復活し、V2に代わりジョッカー・ゲロジョッカー残党と戦う事に。
●半分だけノリダー(木梨憲武)
対ヒヨコ男戦のときに猛が変身した姿。姿は半分で、パワーも通常の半分。
弱そうに見えるが、カラースプレー攻撃でヒヨコ男を退治した。
コウノトリ男の回では、ノリダー=猛が前回の対花火男戦で負った傷が未だに治ってないうえに、頭に野球ボールが直撃したため体内のメカの一部が狂ってしまい、半分だけしか変身できず苦戦したが、ホウレンソウを食べて元に戻り大逆転した。
●スーパーマンノリダー(木梨憲武)
対コウノトリ男戦のとき、ホウレンソウを食べてパワーが回復したノリダーが“ノリダースーパーマント”を装備して、空中戦にも適応できるようになった姿。
●すーパーNORIだ〜(木梨憲武)
・必殺技=スーパーノリダーちょん他
ノリダーが放浪の旅で修行し、その成果で“超変身”という二段変身でパワーアップした姿。
コスチュームが黄金色に輝いている。スチームアイロン男との戦いで初変身した。
必殺技の“スーパーノリダーちょん”は5万馬力を誇る。新必殺技は馬力量が2000ずつアップしている。
●ノリダージャンボ(木梨憲武)
巨大怪人ヒゲゴジラ男に対抗する為、ノリダーがヒゲゴジラ細胞を使って巨大化。
よく考えてみると、Vシネマ『ウルトラマンvs仮面ライダー』でライダー1号が巨大化したよりも、映画『仮面ライダーJ』で巨大化するライダーが登場するよりも、それ以前にノリダーが大きくなっていた(コレ自体、ウルトラマンのパロディだが)のは凄い。
●チビノリダー(伊藤淳史)
・初登場時の年齢=4歳
ノリダーの相棒である子供戦士。普段はカプセルの中に収納されている。
ノリダーとの合体必殺技で確実に怪人にとどめを刺す。第3期最終回SPでは、13歳に成長した姿で登場した。
チビノリダー役の伊藤さんはのちに俳優となり、同局のドラマ『電車男』(’04)で主演に抜擢され、同局の『西遊記』(’05)では猪八戒役に起用された。
●女ノリダー / 美沙子(紺野美沙子)
番外編に登場した女性戦士。カラーリングはピンクで、ヘルメットの目は赤く、肩と両腕に白い毛の塊が付いている。
実兄が改造されたゴキブリ男とノリダーと共に戦ったが、ゴキブリ男の本気の蹴りを食らっていた。
劇場版『仮面ライダー龍騎』で女性仮面ライダー《仮面ライダーファム》が出てくる前に、女性仮面ノリダーが登場していたり…と本家・仮面ライダーよりも仮面ノリダーが先行していた例は、ノリダージャンボのときに続いているのは、ちょっと興味深い。
ノリダーがパロディだった分、身動きがとりやすかったらしいが。
●ノリダー分身(岡村隆史)
第3期の最終回SPに登場した、本物ノリダーそっくりの分身。再生ラッコ男との対決で登場。
戦闘場所を移動しようとして一同でジャンプするも、2度目までは移動しないうえに
ノリダーと再生ラッコ男に蹴りを入れられ、3度目のジャンプでやっと移動に成功するも、
その移動先の崖から足を滑らせて死亡。
●立花藤兵衛(小林昭二)
喫茶“アミーゴ”のおやっさん。本家を忠実にパロディ化している。
故・小林昭二さんが最後に立花藤兵衛を演じたのはこのノリダーシリーズである。
毒蝮三太夫さんがゲスト出演した回(台風の目男の回)では、『ウルトラマン』の科学特捜隊の隊長・ムラマツキャップのパロディまで披露した。
●マリナさん(渡辺満里奈)
喫茶アミーゴでアルバイトしている猛の恋人。
●チビ太(中山竜二)
孤児院“ちびっこハウス”にいる少年で、猛の親友。
●ジュンコ(冨田晃代)&モモエ(冨田千晴)
孤児院“ちびっこハウス”にいる姉妹で双子。のちにアミーゴでバイトすることに。
●立花伊代(松本伊代)
北海道男の回に登場したおやっさんの姪。
▼ファンファン大佐(岡田眞澄)
ジョッカーの大幹部で、東京支部指揮官。本家ライダーのゾル大佐のパロディで、白い軍服と眼帯が特徴。
ゴルフ好きだが、実はゴルフ歴が少ない。いつも倒された怪人の葬式をしている。
実はジョッカー総帥に洗脳されていた一般人だった。
第3期の最終回スペシャルでは、再び悪に目覚め、再生怪人軍団(ラッコ男, プードル男など)を送り込み、
ノリダーに最後の決戦を挑んだ。
▼ジョッカーのみなさん(倉田プロモーション)
ジョッカーの戦闘員。本家ライダーの1〜13話に登場したベレー帽戦闘員のパロディで、「イーッ」のかけ声も忠実。
日給5千円でコキ使われている。実はファンファンよりはまじめな連中。
本家ライダーの“ショッカー”が戦闘員(本来は組織名)という誤認が生まれたほどの存在感。
▼ジョッカー女戦闘員(不明)
まれに登場するジョッカーのみなさんの女性タイプ。スパイ担当。衣装やメイクは通常戦闘員と同じ。
▼ジョッカー科学者(石橋貴明他)
猛をノリダーに改造した張本人たち。その中の一人・明夫(後のラッコ男)がノリダーを脳改造前に逃した。
毎回のOPテーマ映像の最後(中江真司さんのナレーション箇所)にも登場している。
▼日本一のぬいぐるみ師 恐怖○○男(石橋貴明)
ジョッカーの怪人の総称。稀に《○○女》が出て来る。
サメ男, カニ男, 針ねずみ男等のまともな(?)モチーフの者からユーミン男, マラドーナ男, ヒゲゴジラ男など実在の人物や漫画のパロディまでジャンル不問。着ぐるみには“MADE IN ○○”と怪人の出身地(たまに元ネタの引用元)が書かれている。
登場時のBGMは海外の刑事ドラマ『ドラグネット』のテーマ曲を流用している。
戦闘時の蹴りを入れるときのBGMはアニメ『重戦機エルガイム』のものの流用で、必殺技を使うときのBGMは特撮『キカイダー01』のものを使用している。
ノリダーの必殺技を食らって爆発すると、岩が降って来るオチが用意されている。
▼ジョッカー総帥 / キング・ジョッカー男(石橋貴明)
・必殺技=キング・ジョッカービーム / 年齢=800歳
ジョッカーの首領。最終決戦では、今までの怪人の数千倍のパワーを誇るキング・ジョッカー男に変身。
ノリダー&チビノリダーを苦しめるが、最期は宇宙でノリダーと爆死した……が、V2で復活した。
この回ではジョッカーが地中ミサイルで総攻撃に出て、疲弊し切ったノリダーがマリナさんに正体を明かすが、彼女は動ぜずそのまま決着に望む、という内容でマリナの「猛さんは猛さん」に至るまで『ウルトラセブン』最終話(#48・49)のパロディーになっている。
その後『おかげでした』2002年9/12放送分の『北の国から2002遺言』のパロディコントで、彼の胸当てが、ノリダーの胸当てとラッコ男の頭部と共に廃棄物置き場に置かれていた。
’07年9/27放送の20周年突入スペシャルでの“あなたが見たい仮面ノリダー人気投票”で第1位になり、ノーカットで再放送される予定だったが、尺の都合で一部カットされていた。
◆ナレーター(中江真司)
本家『仮面ライダー』のナレーションを担当した為、起用された。
中江氏はこのコーナーのナレーションを担当した後、バラエティ番組業界やCM業界に引っぱりだこになり、
その他のバラエティヒーローもののナレーションでは『学校へ行こう!』の《体当たり戦士少年オカダ》、
『キリンビバレッジ/アミノサプリ』CMの《アミノンジャー》、さらには北海道ローカル番組『ドラバラ鈴井の巣』の《ホワイトストーンズ》も担当した。
●仮面ノリダーV2 / 一文字マモル(木梨憲武)
初代ノリダーに代わりゲロジョッカーと戦う、仮面ライダーV3のパロディヒーロー。
本家V3のように26の秘密を持つが、最後まで一部しか明らかにならなかったのは本家と一緒。
ノリダーによって改造されて命を救われた改造人間で、ペンダントのメダル部分に向かって「ダイジョーV!」(当時アーノルド・シュワルツェネッガー氏が出演していた栄養ドリンク、タケダ・アリナミンVのCMのフレーズ)とVサインを出しながら呪文を唱えて変身する。
マモルの、猛との外観の違いは、白いパンタロンではなくジーンズのオーバーオールを穿いていることや、眉間の横皺(もしくは左右の眉毛のつながり)がないことなど。
変身後も白いウクレレを肩に掛けて登場することも。
▼キングジョッカー / 帝京蜂男(石橋貴明)
かつて初代ノリダーと戦ったゲロジョッカーの首領。次々とゲロジョッカー怪人を送り込み、
世界征服を企む。最後は帝京蜂男に変身して戦った。
▼猩々右近[しょうじょううこん](ボブ市川)
ゲロジョッカー最高幹部で、キングジョッカーを宇宙から救出した。
特撮『仮面の忍者赤影』(1967・KTV)16〜22話に登場した敵忍者《猩々左近》(針紋鬼[はりもんき]という怪獣怪人に変身する能力を持つ)のパロディというところが、いかにもマニアック(本来はお蔵入りになったコント
“仮面の忍者ノリ影”に登場する予定だった)。
▼バン・バン=ビガロ大佐(クラッシャー・バンバンビガロ)
1話に登場したゲロジョッカーの幹部。デモンバズーカを送り込み、V2を倒そうと企む。
当時新日本プロレス所属だったプロレスラーが扮する。
▼ゲロジョッカーのみなさん(倉田プロモーション)
ゲロジョッカーの戦闘員。ヘルメットに黄色のタイツが特徴。
かけ声は「ゲロゲーロ」。
▼ゲロジョッカー怪人(石橋貴明)
初期は『仮面ライダーV3』のデストロン怪人のパロディである動物と機械の合成怪人で、着ぐるみも武器もV3の怪人に酷似している(デモンバズーカは例外で、『マグマ大使』のゴアに酷似)。
終盤や“ノリダー”特別編になると、ジョッカー時代の《○○男》パターンに戻ってしまった。
・情報提供: あるふさん, こしけんさん, あいこ好きの勇者プクリンさん